勃起不全(ED)は何が原因で起こる? 治療法と費用についても徹底解説力
日本では、勃起不全に悩む人が1,000万人以上いると言われています。また、男性の勃起不全が不妊の原因になることもあります。
そこで今回は、男性の性機能障害の一つである勃起不全(ED)とその原因について解説した後、治療方法や費用についても詳しく紹介していきます。
勃起不全(ED)とは?
勃起不全(Erectile Dysfunction:ED)とは男性の性機能障害の一つで、十分な勃起が得られない、勃起が維持できず性行為が満足にできない状態のことを指します。性行為の最後まで勃起を維持できない、いわゆる「中折れ」と呼ばれるものも勃起不全に含まれます。
勃起不全には軽度のものと重度のものがあり、軽度の場合は心理的な原因などで、ときどき勃起が起こりにくい、維持できないといったものです。しかし重度の場合、性行為の際に常に勃起が起こらないという人もいます。
起不全になってしまうと、性行為が完了できないため男性不妊の原因にもなります。
勃起不全に悩む人は40代、50代の男性に多いですが、心理的なストレス等が原因の勃起不全は若年層にも多く見られる傾向があります。
勃起不全(ED)の原因
勃起不全の原因は、主に次の4つがあります。
心因性
精神的なストレスやトラウマなどが原因で勃起が起こりにくくなることを、心因性勃起不全と呼びます。
原因は様々で、日常生活や仕事のストレスから、過去に性行為が上手くいかなかったことによるトラウマが原因という人もいます。夫婦間での「子どもを作ろう」というプレッシャーが原因となることもあります。
心因性勃起不全は、30代~40代に見られることが多いですが、20代の若年層でも見られることがあります。
器質性
加齢に伴う動脈硬化や高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙など、身体的な要因が原因となるものを器質性勃起不全と言います。
器質性勃起不全は50代以降に多いことが特徴で、動脈硬化や高血圧などで血管に大きな負担がかかることで、陰茎海綿体への血流が滞り、勃起不全が起こりやすくなります。
高血圧や糖尿病、高脂血症などは勃起不全とは無関係のように思えますが、一般的に「生活習慣病」と呼ばれるものは勃起不全と密接に関係しています。勃起不全を感じて病院を受診したら、他の生活習慣病が進行していたという人もいるほどです。
混合性
心因性と器質性の原因が両方合わさって起こるものを混合性勃起不全と言います。勃起不全に悩む人は、心因性か器質性どちらかの症状のみというよりも、混合性のタイプが最も多いと言われています。加齢や生活習慣病による症状に、精神的なストレスが加わった状態です。
混合性勃起不全は、特に50代~60代に多い傾向があります。年齢を重ねると、何らかの病気や不調を抱えることが多いためだと考えられます。ここに仕事や家庭でのストレスが加わることで、さらに勃起不全の症状が進んでいきます。
薬剤性
服用している薬によっては、勃起不全を引き起こすものがあります。薬の副作用によるものを薬剤性勃起不全と呼びます。
次のような薬の中には、勃起不全を引き起こす成分が含まれていることがあります。
- 精神安定剤
- 抗うつ薬
- 睡眠薬
- 高血圧の治療薬
- 脂質異常症の治療薬
- 男性ホルモン抑制剤
薬を服用している場合、20代などの若年層でも勃起不全が見られることがあります。ストレスやトラウマなど、他に思い当たる原因がない場合は薬剤性を疑ってみてください。
勃起不全(ED)の治療方法
ここからは勃起不全の治療法について主な方法を3つ解説します。
薬による治療
勃起不全の治療法の中では最もポピュラーなものです。日本では、主に次の3種類の薬が使用されています。
- バイアグラ
世界で最初に開発された勃起不全の治療薬で、日本では1999年に認可されました。
服用すると30~60分で効果が出るため、即効型の薬と言われています。持続力は4時間ほどです。
- レビトラ
ドイツ製の治療薬で、日本では2004年に認可されました。服用から15分ほどで効果が出るため、バイアグラよりも即効性のある薬となります。
- シアリス
アメリカ製の治療薬で、日本では2007年に認可されました。
持続力が約36時間あり、勃起不全治療薬の中でもっとも持続時間が長いものとして知られています。ただし、バイアグラやレビトラに比べて効果が薄く、人によっては十分な勃起が得られないこともあるようです。
勃起不全の治療薬には血管を拡充する成分が含まれているため、ほてりや動悸、目の充血、頭痛などの副作用が出る場合があります。
また、勃起不全の治療薬はインターネット等で販売されていることがありますが、個人輸入は偽物も多く混ざっています。衛生面もきちんと管理されていないことが多いため、必ず医師の診断を受けて薬を処方してもらうようにしましょう。
衝撃波治療
専用の機器で低出力の衝撃波を陰茎海綿体に照射し、血管機能の活性化を促す治療方法です。治療中の痛みや副作用がほとんどなく、治療期間も短いことが特徴として挙げられます。
衝撃波治療は2013年にヨーロッパの泌尿器科学会で勃起不全の治療法として選ばれたもので、欧米での研究で効果や安全性がしっかり認められています。
照射回数は症状の程度やクリニックによっても異なりますが、4~10回程度が1クールとして設定されている場合が多いです。薬の服用で勃起不全の改善が見られなかった場合は、衝撃波治療も選択肢に入れてみると良いかもしれません。
心理カウンセリング
心理的なストレスや過去のトラウマが原因の心因性勃起不全の場合、専門のカウンセラーと相談することで不安や悩みを取り除く治療が行われることもあります。
また、性行為に対するプレッシャーや焦りから来る勃起不全の場合、パートナーとしっかり信頼関係を築くことも大切です。実際、海外ではカップルや夫婦で一緒に来院する姿もよく見られるそうです。「焦らなくても大丈夫」という気持ちを共有することが大切です
勃起不全(ED)の治療費用について
ここからは勃起不全の治療にかかる費用を詳しく解説していきます。一般的に、勃起不全の治療は自由診療となることが多く、クリニックによって治療費用は様々です。(保険が適用されるのは男性不妊の診断があるときのみ)
薬による治療の場合
バイアグラ、レビトラ、シアリスを処方された場合、費用はだいたい1000円~3000円程度です。バイアグラに関してはジェネリック医薬品も開発されているため、もう少し費用を安く抑えられる可能性があります。診察代を合わせても、5000円程度で収まるでしょう。
衝撃波照射による治療の場合
衝撃波照射による治療の場合、一回の照射が2万円~数万円程度かかる場合が多いです。
4~10回の照射が1クールに設定されていることもあるので、すべての治療が終わるまでには10万円以上の費用がかかることもあります。
まとめ
今回は、男性の性機能障害の一つである勃起不全(ED)について、原因や治療法、かかる費用について詳しく解説しました。勃起不全に悩む人は主に40~50代に多いですが、ストレスやトラウマなどが原因の心因性勃起不全については、20~30代の若年層にも見られる傾向があります。
また、原因も加齢だけではなく、生活習慣や服用している薬などが関係していることもあります。
原因をしっかり特定して治療すれば、勃起不全は改善することができます。もし悩んでいる方がいれば、ぜひ一度専門医に相談してみてください。