突然の頭痛がつらい!有効なツボを症状別に解説
職場や自宅で急に頭痛になったときのセルフケアとして、効果的なのが頭のツボ押しです。ツボを刺激するセルフケアを習得すれば、突然の頭痛でも、それらを和らげる効果が期待できます。今回の記事では頭痛の種類や、症状別の有効なツボを紹介。併せてツボを見つけるコツや注意点についても触れています。場所や時間を選ばずにできるため、ぜひ日常生活に取り入れ、リフレッシュに役立ててみてください。
頭痛の種類
頭痛は大きく分けると2つのタイプがあり、それぞれ原因や症状が異なります。そこで、ズキズキと痛む「片頭痛」と、締め付けられるような鈍い痛みを感じる「緊張型頭痛」の違いを詳しく解説します。
片頭痛
片頭痛とは、頭の片側に繰り返し現れるズキズキとした痛みのことです。特徴としては「脈に一致した拍動性の一味がある」「突然痛む」などが挙げられます。発作性とは、普段は特に異常がなくても、ある日突然起きることを意味します。
発生する頻度は個人差が大きく、年に数回ということもあれば、週に3~4回は起こるということもあります。症状が重くなると嘔吐を伴ったり、光や音に敏感なったりすることもあります。
また、暑い季節や運動後、アルコールを飲んだときなど、血管が拡張するような状況では片頭痛が生じやすいです。女性の場合は、月経時にホルモンの影響で血管が広がりやすくなるため、男性よりも片頭痛が起こりやすいといわれています。
緊張型頭痛
緊張型頭痛とは、頭全体や首、肩にかけて感じる圧迫感や締めつけられるような鈍い痛みのことです。同じ痛みがずっと続くことが特徴で、一般的には「じわっとした痛み」や「ズーンとした痛み」などと表現されます。
片頭痛の場合、脈に一致してズキンズキンと痛み、時間とともに痛みが強くなったり弱くなったりしますが、緊張型頭痛の場合は均一性の痛みになります。また、片頭痛は頭の片側の痛みですが、緊張型頭痛は両側に痛みが生じます。さらに、痛みの経過を把握することが困難なのも特徴です。
例えば、片頭痛の場合、朝9時頃から痛み始め、夕方くらいには改善し始めたというように、経過をある程度把握できます。しかし、緊張型頭痛の場合、このような発作的な痛みではなく、持続的に痛みが生じます。
そもそも、ツボとはなに?
頭痛に有効なツボを紹介する前に、ツボとは何かについて説明しましょう。東洋医学では、人間の身体の中に、心身機能を正常に保つためのエネルギーがあり、それが循環していると考えています。
その循環を経絡(けいらく)と呼び、この経絡の道筋に並んでいるポイント(正確には経穴)を刺激し、改善を試みるのがツボ押しです。ツボにはさまざまな箇所がありますが、頭痛においては、百会や角孫などの経穴が有効と考えられています。
ツボ押しは誰かに協力してもらうとスムーズですが、頭痛のツボに関していえば、1人で無理せずおこなうことができます。楽な姿勢で、心身をリフレッシュさせるつもりで取り組んでください。
症状別の頭痛を緩和させるツボ
頭痛に悩まされるとき、ツボを押すことで症状を和らげる方法があります。そこで、「頭が重い」「片側が痛い」など、症状別におすすめのツボをお伝えしますので、セルフケアとして活用してください。
頭が重い
風邪や疲れ目、鼻づまりや精神的ストレスで頭が重くなることがあります。この場合、頭痛に関連するさまざまなツボを用いて症状を和らげるようにしてください。頭痛を緩和するツボには、次の3つのようなものがあります。
百会(ひゃくえ)
百会の「百」は「数が多い・たくさん」ということを表しています。つまり、身体の働きに関係するもろもろの道筋が一堂に集まり、会する場所が頭のてっぺんにあるということです。具体的な箇所としては、両耳をまっすぐあがった線と、眉間の中心から上がった線が交差する頭のてっぺんになります。頭のてっぺんから、お腹の芯まで抜けるように静かに真下へ押し込むようにツボを刺激します。頭の芯のキリキリする痛みにおすすめです。
角孫(かくそん)
角孫の「角」は耳の上にある「角(かど)」を指し、「孫」はつなぐという意味をあらわします。角孫は耳の上の角にあって、いろいろな身体の働きと関係のあるツボが並んでいることに由来します。具体的な箇所としては、耳を前方に折り曲げ、耳の先端が頭に触れるところです。この箇所を指の腹で3~5秒程度ゆっくり押すことを繰り返します。そのあと、頭やうなじのこわばりをほぐしてください。目や耳の疲労にもおすすめです。
曲池(きょくち)
「曲」は曲がったところを意味します。ひじの曲がり目近くにあるため、このように名付けられています。「池」は東洋医学でいう気血や邪気が池のように溜まることを意味します。具体的な場所としては、ひじを内側に曲げてできたシワのあたりにあるくぼみです。ひじをしっかりつかむようにし、親指の関節を曲げて力を込めて押してください。百会と一緒に使うことで、より効果的です。
片側が痛い
頭の血管が拡張し、周りの神経を刺激。結果として頭の片側が痛む慢性的な頭痛を片頭痛といいます。片頭痛は月に数回、あるいは週に数回繰り返す傾向にあります。この場合は、頷厭や風池などのツボを押してみましょう。
頷厭(がんえん)
「頷」は「おとがい・うなずく」という意味が、「厭」は「疲れる・押す・憎む・沈む」といった意味があります。そして頷厭とは、下あごを押し下げ、歯をかむようにすると筋肉が動くところ、すなわち、こめかみのことを指しています。具体的な箇所としては、額の角の髪の生え際より少し下のところです。指の腹で3~5秒程度こねるように揉みます。片頭痛だけでなく、顔面が痛むときに押すのもよいでしょう。
風池(ふうち)
風池は「風邪入りて邪気溜滞する」といわれるツボです。「風」は風邪の邪気を意味しており、「池」は池のように溜まる場所のことです。つまり、この風池は風邪の邪気が溜まる場所を表しています。東洋医学では、風邪とは病気の原因のことで、寒・暑・風・湿・熱・燥・火の7つがあります。場所としては、首の後ろの髪の生え際で、2本の太い筋肉の両外側をわずかにはなれたくぼみの箇所が風池です。頭を後ろから包み込むようにして、両手の親指でこねるように押します。
丘墟(きゅうきょ)
「丘」は小高く盛り上がった場所を指し、「墟」は「跡」の意味です。城跡のように建物がなくなりへこんだ跡地を表現しています。具体的な箇所としては、外くるぶしの前下方にある腱(長指伸筋腱)の外側のくぼみが丘墟です。この箇所を強めに押すと、痛みが和らぐことがあります。左右のツボを同時に押すか、頭の左側が痛ければ右側というように、痛む側と反対を押しましょう。
後頭部が痛む
後頭部から首の後ろにかけてと、耳から下あごにかけてピリピリと皮膚がひきつるように痛むことがあります。痛む部分の髪の毛にさわると、さらに痛みが酷くなる可能性も。この場合、風府や通天などのツボを刺激してみましょう。
風府(ふうふ)
風府の「風」は東洋医学では、病気の原因といわれている邪気の1つ「風邪」を意味しています。「府」は「みやこ・集まる」といった意味になり、邪気である風邪がここに集まってくると捉えます。具体的な箇所としては、後頭部、身体の中心線上で髪の生え際から親指幅1本分あがったくぼみのところです。頭を抱え込み、左右の親指を合わせるようにして指圧します。
通天(つうてん)
通天の「通」は「通る・届く」という意味があり、転じて「開く・貫く・過ぎる」という意味で用いられます。一方、「天」は、このツボが所属する経絡のツボとしてはもっとも高い位置にあるということを指します。
具体的な場所としては、前髪の生え際の中心から頭のてっぺんへ向けて親指の幅4本分上がり、そこから耳の方へ親指の幅1本分半下がったところです。側頭部を支えるようにして親指で指圧してください。ここから耳の後ろや首のあたりまでをさすると、尚良いです。
ツボをうまく見つけるコツ
身体の大きさや形が人それぞれ違うように、ツボの位置も個人差があります。そのため、ツボの箇所は上述した内容をもとにおおよその場所を掴みますが、実際には手でさわり見つけていく必要があります。
おおよその場所を前述した説明を踏まえて見つけます。そのあと、ツボがあるだろうと思われる周辺箇所の皮膚を指先で軽く触るようにしてください。他の部分と少し違った感触があれば、そこがツボである可能性が高いです。
想定される箇所を見つけたら、そこを親指と人差し指で2~3回軽くつまんだり、揉んだりします。そして、刺すような痛みがあれば、その部分がツボだと考えられます。
位置が定まったら、実際に親指や人差し指で押してみます。かたい点状、すじ状、かたまり状のしこりに触れたら、それは皮下組織が緊張している感触で、その箇所がツボです。また、感覚としては痛みが響く感じや気持ちよいと感じる場所がツボだと判断してもかまいません。
頭痛のツボを刺激する際の注意点
頭痛のツボを安全に刺激するには、いくつかの注意点があります。基本的には、食事から30分以上の時間を空けてから行ってください。
また、お手洗いも事前に済ませておくことも大切です。服装については、体を締めつけないものを選び、ベルトやガードルは外すことが望ましいです。部屋の温度も適切に調整し、体を冷やさないように注意します。
ツボを刺激した後は、体が意外と疲れていることがあります。そのため、刺激した直後に激しい運動をするのは避け、ゆっくりと休息を取ることが大切です。
まとめ
ツボ押しは、簡単に取り入れられるセルフケアの1つです。ツボを正しく理解し、片頭痛や緊張型頭痛などに合わせた適切な方法で実践することで、頭痛の緩和が期待できます。ぜひ、日々の生活に取り入れてみてください。
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